あれから20年…暴かれたアメリカの闇 映画『モーリタニアン 黒塗りの記録』公式サイト

3月16日(水)DVDレンタル開始! 3月25日(金)BD&DVD発売!
10月29日(金)TOHOシネマズ 日比谷他全国ロードショー
9.11同時多発テロの首謀者の1人として不当な拘禁された男は米国と闘う。激しい対決の果てに現れた驚愕の真実とはー衝撃の実話。
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黒く塗りつぶされた衝撃の〈手記〉を映画化!ジョディ・フォスター×ベネディクト・カンバーバッチ×タハール・ラヒム実力派俳優陣の演技対決で現代に問う、アメリカの闇を暴く実話!

2015年、全米が驚愕した。アメリカ政府による検閲で多くが黒く塗りつぶされた、ある男の〈手記〉が出版されたのだ。しかも筆者の男はその時、アメリカが設置したキューバのグアンタナモ米軍基地に収容されていた。異例尽くしのこの本は、またたく間にアメリカで大ベストセラーを記録し、その後、世界20か国で刊行された。
どうしても、この手記を映画化したいと切望したのが、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』でアカデミー賞とゴールデングローブ賞にノミネートされ、名実ともに英国俳優の頂点に躍り出たベネディクト・カンバーバッチ。自身の製作会社でプロデューサーに専念するはずが、出来上がった脚本に感銘を受けて出演も望み、遂に歴史と国家の闇を暴く問題作を完成させた。
ナンシーには、『羊たちの沈黙』でアカデミー賞、ゴールデングローブ賞を受賞してハリウッドのトップ俳優を極めた後、監督・プロデュース業でも目覚ましい活躍を見せているジョディ・フォスター。情に流されず常にクールだが、心の芯は人間味にあふれたナンシーを堂々たる存在感で体現し、本作でゴールデングローブ賞を受賞した。モハメドゥには、カンヌ国際映画祭グランプリを受賞した『預言者』の主演で、セザール賞に輝いたタハール・ラヒム。どんな辛苦の中でも他者を許すモハメドゥの人間としての威厳を全身で表現し、ゴールデングローブ賞にノミネートされた。カンバーバッチが扮したのが、スチュアート中佐。パイロットの親友がハイジャックされた機に搭乗していたという怒りと悲しみを抱えながら、法律家としての正義を貫く中佐を清廉に演じた。ナンシーのサポートをする未熟だが真っすぐな弁護士テリー・ダンカンには、『ファミリー・ツリー』でゴールデングローブ賞にノミネートされたシャイリーン・ウッドリー。
監督は、ドキュメンタリーに定評があり『ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実』でアカデミー賞ドキュメンタリー長編賞を受賞し、『ラストキング・オブ・スコットランド』でも高く評価されたケヴィン・マクドナルド。

story

アメリカ同時多発テロを引き起こしたメンバーとされ、グアンタナモ収容所へ送られた男は無実を訴える。国家の闇と人権問題を描く社会派ドラマ。

2005年、弁護士のナンシー・ホランダー(ジョディ・フォスター)はアフリカのモーリタニア出身、モハメドゥ・スラヒ(タハール・ラヒム)の弁護を引き受ける。9.11の首謀者の1人として拘束されたが、裁判は一度も開かれていない。キューバのグアンタナモ収容所で地獄のような投獄生活を何年も送っていた。ナンシーは「不当な拘禁」だとしてアメリカ合衆国を訴える。時を同じくして、テロへの“正義の鉄槌”を望む政府から米軍に、モハメドゥを死刑判決に処せとの命が下り、スチュアート中佐(ベネディクト・カンバーバッチ)が起訴を担当する。真相を明らかにして闘うべく、両サイドから綿密な調査が始まる。モハメドゥから届く手紙による“証言”の予測不能な展開に引き込まれていくナンシー。ところが、再三の開示請求でようやく政府から届いた機密書類には、百戦錬磨のナンシーさえ愕然とする供述が記されていた──。

グアンタナモ収容所とは

キューバのグアンタナモ湾にあるグアンタナモ米軍基地内に設置。同時多発テロ以降、米国がアルカイダ幹部やテロリストを収容するために設けられた。少なくとも15人の子どもを含む約780人がアフガニスタンなど南西アジア、中東やアフリカから連行され、司法手続きなしに厳しい尋問や拷問、長期拘禁を強いられている。この実態が明らかとなり、国際社会や人権団体からの非難が相次ぎ、2009年オバマ政権が閉鎖を表明したが難航、現在も実現には至っていない。

グアンタナモ収容所 場所
『河出文庫モーリタニアン 黒塗りの記録』書影

原作紹介

河出文庫
モーリタニアン 黒塗りの記録

モハメドゥ・ウルド・スラヒ著 
ラリー・シームズ編
中島由華訳
2021年9月23日発売予定/予価1,562円

地獄のような収容所から世界へと発した命懸けの手記。
世界的ベストセラー。

Amazonで購入

cast,staff

ジョディ・フォスター[ナンシー・ホランダー]

タハール・ラヒム[モハメドゥ・ウルド・スラヒ]

ベネディクト・カンバーバッチ[スチュアート・カウチ中佐/製作]

シャイリーン・ウッドリー[テリー・ダンカン]

ザッカリー・リーヴァイ[ニール・バックランド]

ケヴィン・マクドナルド[監督]
モハメドゥ・ウルド・スラヒ[原作・モデル]

comment

※順不同、敬称略

腐敗した権力は、不都合の全てを塗りつぶそうとする。あの真っ黒な書類の山には、既視感がある。同じことが、この日本でも繰り返されているからではないだろうか。安田菜津紀(NPO法人Dialogue for People副代表/フォトジャーナリスト)
静かだけれども異様なほど高い熱量とともに物語は進んでいく。主演3人の演技が重く密度が濃く、それぞれの葛藤と人間としての威厳もまざまざと伝わってきて圧巻。「見ごたえ」という言葉がこれほど似合う映画は他にない。佐々木俊尚(作家・ジャーナリスト)
登場人物たちは何を守り、何を裏切ったのか?グアンタナモから世界に向けて出版された手記。モハメドウと言う存在が憲法と法、アメリカ、そして民主主義の意味を炙り出す。ダースレイダー(ラッパー)
911の憎しみの連鎖が、米政府の犯罪を生んだ。黒塗り文書の先に何が起きたか。「感情に流されず、事実を追い求めろ」。映画は、そう何度もそう語りかけてきた。望月衣塑子(東京新聞記者)
同時多発テロ後、恐怖に支配されたアメリカ。だれもが正義を望んだはずなのに、「正義」と「正義」がぶつかりあったとき、真実は遠ざかっていく。20年の時を経てもまだ、9・11は終わっていない。梶原みずほ(テレビ朝日「報道ステーション」コメンテーター)
国家が特定の意思を持ち、一直線に猛進する時、国家は本来守るべき市民の心と体を切り裂く刃となる。人間性の荒廃と人間倫理の破綻が招く国家の嘘と暴力。9・11後のアメリカ現代史の闇を直視してほしい。太田昌克(ジャーナリスト・共同通信編集委員)
そもそも大義のないイラク戦争を憶えていない方はこの映画を見た後、アメリカ軍の無意味な拷問に対して犠牲者のモハメドゥさんのように許す気持ちになるでしょうか。ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
こんな映画を待っていました。9.11から20年。隠されてきた壮絶な闇と、未来を変える幾つものヒントが散りばめられた、この上質なエンターテインメント作品を、沢山の人に観て欲しい。堤 未果(国際ジャーナリスト)